感染経路
トキソプラズマの感染経路は、加熱処理の不十分な肉(馬刺、牛刺、鳥刺、レバ刺、鹿刺、レアステーキなど)に生存するシストや、土やネコの糞に存在するオーシスト(接合子嚢とも言う)が経口的に初めて感染(小腸粘膜から進入)することによって妊婦さんに寄生虫血症が生じます。その後、トキソプラズマは血行的に胎盤に感染・増殖し、胎児の脳などの実質臓器に波及します。
トキソプラズマはネコを終宿主とする人畜共通感染性の細胞内寄生性原虫であり、ヒトからヒトへ感染することはありません。日本では成人の2~10%がトキソプラズマに感染し、抗体を保有しているとされています。
トキソプラズマの感染経路は、加熱処理の不十分な肉(馬刺、牛刺、鳥刺、レバ刺、鹿刺、レアステーキなど)に生存するシストや、土やネコの糞に存在するオーシスト(接合子嚢とも言う)が経口的に初めて感染(小腸粘膜から進入)することによって妊婦さんに寄生虫血症が生じます。その後、トキソプラズマは血行的に胎盤に感染・増殖し、胎児の脳などの実質臓器に波及します。
通常、成人がトキソプラズマに感染してもおよそ8割は症状がなく、2割でリンパ節腫脹や発熱、筋肉痛、疲労感など亜急性症状が出現し、数週間で回復します。その後、慢性感染に移行しますが問題になることは少ないとされています。
胎児感染のリスクは妊婦さんが感染した時期によって異なります。妊娠初期の感染では胎児感染の可能性は低いですが、赤ちゃんの重症度は高いとされています。妊娠経過とともに胎児感染の可能性は高まりますが、赤ちゃんは無症状か軽度であることが多くなります。
先天性トキソプラズマ感染症の赤ちゃんは、胎児・新生児期より水頭症、脳内石灰化、小頭症、脈絡膜炎、小眼球症、精神神経・運動障害、肝脾腫などを起こします。
妊娠中に初めてのトキソプラズマ感染が強く疑われた場合、スピラマイシンを内服することで最大60~86%の胎児感染が予防されます。
サイトメガロウイルス、トキソプラズマ等の母子感染の
予防と診療に関する研究班 (umin.jp)より抜粋
トキソプラズマ感染を予防するワクチンはありません。
現在の感染歴を把握し、抗体を持たない方は妊娠中の感染予防対策を行う必要があります。
トキソプラズマ感染予防のために以下の内容が啓発されています。
(サイトメガロウイルス、トキソプラズマ等の母子感染の予防と診療に関する研究班 (umin.jp)より抜粋)