感染経路
一般的にはサイトメガロウイルスに感染した人の尿、唾液などの体液に接触して感染する水平感染とされており、他にも産道感染、輸血による感染、性行為による感染などがあります。妊娠中の主な感染経路はサイトメガロウイルスを含んでいる可能性のある年長児の唾液や尿の接触とされており、十分な手指衛生で感染予防が可能です。
サイトメガロウイルスには多くの人が幼児期に感染するとされ、初感染者の多くは症状が現れない不顕性感染であり、その後一生涯体内にウイルスがとどまります。日本では成人女性の60~70%程度が感染し、免疫を持っていると言われています(潜伏感染)。
一般的にはサイトメガロウイルスに感染した人の尿、唾液などの体液に接触して感染する水平感染とされており、他にも産道感染、輸血による感染、性行為による感染などがあります。妊娠中の主な感染経路はサイトメガロウイルスを含んでいる可能性のある年長児の唾液や尿の接触とされており、十分な手指衛生で感染予防が可能です。
通常の免疫状態であればほとんどの方が無症状で経過しますが、約15%に発熱、咽頭炎、リンパ節腫脹などを生じる伝染性単核球症様の症状が出現することがあります。
妊娠中にサイトメガロウイルスに初めて感染した場合、もしくは潜伏感染後の再活性化や再感染した場合に母児感染が生じ、赤ちゃんが先天性サイトメガロウイルス感染症となる可能性があります。感染した赤ちゃんの多くは無症状ですが(無症候性感染児)、一部の赤ちゃんが難聴などの後遺症が見られることがあります(図参照)。
感染した赤ちゃんの20~30%が症候性感染児といって胎児期から発育不全、肝脾腫、小頭症、脳内石灰化などを呈し、出生時に肝機能異常、紫斑、血小板減少、貧血、黄疸、網膜症、白内障、難聴などの多彩な症状を有することがあり、10%未満が胎児・早期新生児死亡に至ることもあります。
妊娠中にサイトメガロウイルス感染が疑われた場合、胎児感染予防や胎児治療目的の治療法は確立されていません。
サイトメガロウイルス、トキソプラズマ等の母子感染の
予防と診療に関する研究班 (umin.jp)より抜粋
サイトメガロウイルス感染を予防するワクチンはありません。
現在の感染歴の状態にかかわらず、妊娠中のサイトメガロウイルス感染は赤ちゃんに影響が出る可能性があるため、サイトメガロウイルスを含んでいる可能性のある小児の唾液や尿との接触をなるべく避け、十分な手指衛生を心掛けるようにしましょう。
(サイトメガロウイルス、トキソプラズマ等の母子感染の予防と診療に関する研究班 (umin.jp)より抜粋)